HACCPとは?

・原材料入荷から製品の出荷までの全工程で食中毒菌汚染や異物の混入等の危害要因を把握し、それらの危害要因を除去又は低減させる衛生管理手法です。


このHACCPに沿った衛生管理手法は今年(令和3年)の6月から義務化されました。



私は最初、「ハサップ」と聞いたとき、「それ美味しいの?」とか「あの強い格闘家ね!」みたいな感じでした。


食品を扱う事業者様においても「どんな制度なの?」と思っている方は少なくないのでしょうか?



〇対象事業者(食品の製造・加工、調理、販売、飲食店などの食品を扱う全ての事業者)


1.一般事業者(従業員数が50名以上の企業)

 
→HACCPに基づく衛生管理

 
 Codexの「HACCP 7原則」に基づき計画を作成し、管理を行う。

  
(Codexとは国際食品規格委員会及び食品規格で日本を含む187ヶ国とEUが加入している。)



2.小規模事業者(従業員数が50名未満で一般衛生管理の対応範囲内の業種)

 
→HACCPに沿った衛生管理

 
 各業界団体が作成する手引書を参考に衛生管理を行う。



〇対象外の事業者


1.食品又は添加物の輸入業


2.食品又は添加物の貯蔵又は運搬のみをする営業(但し、冷凍・冷蔵倉庫業は除く。)


3.常温で長期間保存しても腐敗、変敗その他品質の劣化による食品衛生上の

  危害の発生の恐れがない包装食品の販売業


4.合成樹脂以外の器具容器包装の製造業


5.器具容器包装の輸入又は販売業


このように街中にある飲食店もHACCPに沿った衛生管理をしなくてはならなくなりました。

この記事をお読みになっている飲食店を経営されている方はこう思ったのではないでしょうか?


「コロナで来店するお客様の数は減っているし、なにより緊急事態宣言等で時短営業や
酒類の提供もままならないのに、HACCPなんて横文字並べられても出来るか!」


たしかに、その通りだと思います。



そして現在のところ食品衛生法にはHACCPを導入していない事について罰則規定はありません。


しかしながら、行政指導がされる可能性やなんらかの処分規定が定められる可能性がありますので要注意です。


これだけを見ると面倒な制度のように思いますが、HACCPを導入することによって、様々なメリットもあると考えられます。


1.原料入荷から出荷(飲食店の場合は飲食物の提供)までの各工程に危害要因を想定し、
  その除去又は低減させるためのチェックリストを作成し管理することで、食中毒等の発生を  
  抑制したり、万が一、そのような事態が起こったときに、どこの工程で菌が混入した
  可能性が高いか検証できる。


2.お客様の安全と健康のため、いち早くこの制度を導入することで、会社やお店のイメージ
  アップが可能。


3.法令を遵守している事で従業員募集において有利になる可能性がある。



その反面デメリットもあると思います。


1.少ない人員の中で会社やお店の経営だけで忙しく、制度を学び、どのようにHACCPを
  導入して良いか分からない。


2.HACCPを導入するにあたり費用が掛かる。

  (HACCPにより何らかの設備投資が必要となる場合)



この資金面のデメリットについては「HACCP支援法」により「日本政策金融公庫」が低金利で支援するとしています。


(日本政策金融公庫 食品産業品質管理高度化促進法(HACCP資金))

食品産業品質管理高度化促進資金(HACCP資金)|日本政策金融公庫 (jfc.go.jp)



まだまだ「HACCP」について詳しい専門家は多くないと思いますが、「HACCP」についてお困りの食品製造業や食品加工業また、飲食店営業の方は顧問の税理士さんや飲食店の
許可申請をお願いした行政書士さんにご相談されると良いかもしれません。


(HACCPについての参考資料)

厚生労働省

HACCP(ハサップ)|厚生労働省 (mhlw.go.jp)


農林水産省

食品企業の安全・信頼対策、標準化:農林水産省 (maff.go.jp)


(公社)日本食品衛生協会

HACCPによる衛生管理とは|公益社団法人日本食品衛生協会 (n-shokuei.jp)

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金 子 行 政 書 士 事 務 所

行 政 書 士  金 子 秀 之

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